松阪駅前郵便局で貯金を終えて松阪駅に戻り、いよいよ今回の旅の目的の一つ名松線に乗車です。 名松線の「名」は名張で「松」は松阪。 名張と松阪を結ぶ鉄道として計画されましたが松阪~伊勢奥津間のみが開通しそこから名張までは未成線となってしまいました。 JR東海随一のローカル線で2016年3月には水害を乗り越えて廃線の危機から全線復旧を果たしたのは記憶に新しいところですそれでは、名松線の旅のスタートです。
松阪~家城
名松線の起点、松阪駅は昭和の雰囲気が色濃く残る駅舎です。
名松線は松阪駅5番線から発車します。
これから乗車する松阪駅1511発の411Cはキハ11-304の単行列車で運転されます。 乗客は管理人を含め10名程度でした。
松阪駅を発車した列車は少しの間紀勢本線と同じ線路を走行したのち分岐しますが、信号場ではなく松阪駅構内の扱いです。
紀勢本線の線路と分岐した後も1キロ程は紀勢本線と平行して走りますが、紀勢本線の線路はPC枕木化されているのに対し名松線の線路は木製の枕木のままです。
上ノ庄、権現前と停車していった列車は伊勢八太駅の手前で伊勢自動車道の下を潜ります。一志、井関と停車すると周囲は山深くなってきます。
名松線唯一の交換駅である家城駅に進入します。 家城駅はJR東海で最後まで腕木式信号機が使用されていた駅でしたが、それも無くなって久しいです。既に交換する414Cが到着しています。 家城では約12分程停車するので入場券を購入しようと思い窓口に行くと…
家城駅
なんと窓口は閉鎖中… 営業時間は5:30~20:20ですが窓口の休止時刻が細かく書いてあります。
家城駅は腕木こそなくなったもののは今や貴重なスタフ扱いのある駅。運転台をよく見るとスタフキャリアが置かれています。 列車が停車している時は駅員さんはスタフ扱いをしなくてはならないため窓口が閉鎖されます。 ということは鉄道利用でこの駅に来た場合は入場券等のきっぷは基本的に購入できないということになります。 きっぷを購入したい場合は伊勢奥津まで乗車せず家城で下車するしかないということです。 家城駅の入場券は次回、車で郵便局巡りに来た時にとっておくことにします。
停車時間を利用して家城駅の駅舎を撮影。 前回、家城駅を訪問したのは2016年2月のキヤ95による名松線災害復旧検測を撮影に来た時以来2回目です。
411Cと414Cが並んでいます。 411Cはキハ11-303でした。 車両こそJR形の車両ですが駅舎やスタフ交換作業など昭和の雰囲気が色濃く残る家城駅は貴重な存在です。
発車間際に家城駅の駅名板を撮影。 家城から先は2016年3月に災害から復旧した区間に入ります。
家城~伊勢奥津
家城駅を出ると周囲の雰囲気が変わりこれまでのローカル線ムードから超ローカル線ムードになります。
家城から伊勢奥津間で目につくのは鹿を線路に進入させないための柵で沿線随所に設置されています。 以前、真夜中にキヤ検追いかけで撮影した時は鹿が群れでいるくらいでしたのでこれくらいの対策は必要だと感じます。 撮り鉄的な立場で見ると鹿除けの柵のお陰で撮影しにくいですが…
列車は終点の伊勢奥津まで雲出川に沿って走ります。
沿線には冬のたんぼがひろがります。
山間の小駅、伊勢鎌倉に停車。 今回乗車したキハ11-304ですが窓が汚れていて画像が綺麗に撮影できないところが残念なところ。
以前、氾濫して名松線に甚大な被害が出たあたりですが川には大きな岩がゴロゴロしてます。
柵の無いデッキガーダーやトンネルが続き、列車も山道や徐行区間も多く非常にゆっくりとした速度で終点の伊勢奥津を目指します。 列車の運転速度も松阪~家城間と家城~伊勢奥津間で異なるところも注目です。
いかにも日本の原風景といった車窓が連続し乗っていて飽きません。
そして定刻の1635に終点の伊勢奥津に到着。 冬至に近いこともあり既に薄暗くなってきました。
奥津郵便局と伊勢奥津駅
伊勢奥津駅の折返しは40分程ありますがまずは駅を見る前に17時で閉まってしまう奥津郵便局を訪問します。
貯金窓口は営業終了してますのでATMで預入し郵便窓口から通帳にゴム印を押してもらい、風景印と年賀はがきを買って駅に戻ります。
伊勢奥津駅はSL時代の遺構の給水塔が残る駅としても有名です。
静かに発車の時をまつキハ11 手前の草が伸びていて綺麗に撮影できません…
「みんなで守ろう名松線」
どこのローカル線に行っても同じようなセリフを書いた横断幕を見るような気がします。 守れずに廃線になってしまう路線が増えているのが現状ですが、名松線も家城から先の区間は廃線になってもおかしくはなさそうです。
伊勢興津駅の中には写真が展示されていました。
その他、周辺の店舗や観光施設の案内も掲示されています。
名張まで開通していたら名松線も違った雰囲気になっていたでしょう。
郵便局を訪問したり駅を見たりしていると時間はあっと言う間に過ぎ発車時刻が近づいてきました。 それではまた往路に乗ったキハ11-304に乗車して松阪へ戻り今宵の宿がある津へ戻ることにしましょう。
キハ11の車内はセミクロスシートでトイレ付です。 ロングシートではないところが乗り鉄にとっては嬉しいところです。
名松線ですが乗車するなら伊勢奥津行きならば進行方向右側の座席の方が川に面している時間が長いのでオススメです。 また家城駅のスタフ交換作業など見どころ満載のローカル線でした。
次回に続く…